眠らぬ場所で会いましょう

それから数日後、彼の腕の傷も抜糸され、退院も2日後に決まった。








24時。



巡回のために、ソッと彼の部屋へ入った。




壁に付けられたライトの明かりがカーテンをすり抜け、部屋全体が、ぼんやり明るい。





カーテンをそっと開けると、うつ伏せの状態で携帯を見てる。





「こらっ! いつまで起きてんの!」



急に声をかけられ、慌てて振り向く彼。




「うわっ!… ビックリさせないでよ。何で静かに入ってくんだよ。」




「みんな寝てる時間なんだから。起こさないように、静かに入るもんなの。いくら個室状態でも、そろそろ寝てもらわないと。」




ここは4人部屋だけど、他の人が退院してしまい、彼一人だった。