いつの間にか、彼は私を名前で呼ぶようになっていた。



一応注意するんだけど、スルーされる。




「あのさ、一応患者さんと助産師だから。病院では名字で呼んでくれない?」




「いいじゃん。小林さんって長いし、真紀が呼びやすい。それに、他の人がいる時は名字で呼んでるでしょ?」




ま、真紀って… さりげなく呼び捨てにするな。




確かに人がいる時といない時で、使いわけてる。





若いくせに、あなどれない…






「ま、いっか。」




小さなため息と共にそう言うと、彼はニッコリ笑って、視線をパソコンに戻した。