部屋についてしばらくすると茜だけが部屋に入ってきた。清二さんはというと話を終えるとそのまま帰ってしまったらしい。もう一度お礼言いたかったんだけどな。


まぁ清二さんはよくここに来るし来たときにでももう一度お礼を伝えようっと。


夜ごはんを用意する茜に手伝ってあたしも食器やらなんやらの準備を買って出る。というかこのくらいしかできないんだけどね。だって竃だし…現代人のあたしにゃ無理ってもんですよ。


ちゃぶ台に並べていただきますと手を合わせて主にあたしが今日あったことを話しながらごはんを食べる。


初めて見る村の様子やのどかな田んぼの風景、さすがに清二さんのお母さんとばったり会ったことは伏せつつ、最後に連れて行ってくれた泉の話をすると茜は少し驚いたようで、でも笑顔で聞いてくれた。


もぐもぐと口を動かしながら話してふと気づく。



「そういえば最近また減ったね」


「えぇ、こればっかりは人がどうこうできることではないから…」



ちゃぶ台の上に視線を落としてふ、と困ったように笑みを浮かべる茜にあたしも視線を落とした。


初めの頃よりも減った食事。今年はあんまり作物が取れてないって言ってたもんね。まぁ激しい運動とかしてないからあたしは大丈夫だけども。てかそんなこと言える立場でもないんだけども。