彼岸の杜




そう。あたしがいつも振られる理由。


それはだいたいが『なんか思ってたのと違う』、『あたしといても息苦しい』、『いっしょにいてもつまらない』、とかそんなとこ。



でも、でもぉ……




「そんなこと言われてもぉ〜っ」



こちとら困るんだよおおぉ!


あたしだって頑張ってる(と思う)。告白して、付き合って(だいたいがNOの返事もらったけど)、今度そこはって相手の好みを研究して。


努力は怠ってないはずなのに結果が現れないぃ……ぐすん。マジで泣いちゃおっかな。



「そしたら紗季よ、あたしのこと慰めてくれるかい?」


「今慰めてるじゃない」


「そんな辛辣な慰めいらない」



もっと優しく、できるだけソフトに慰めて。まるで高級な仔猫ちゃんを扱うかのようにしてください。


こう見えても繊細なのよ?デリケートなお心をお持ちなのよおぉ。


しくしくと泣きマネをしているとはぁ、と小さく聞こえるため息。誰の、なんて聞くだけ無駄である。


というか今小さく「めんど……」って聞こえたんだけど。もういいよ突っ込まないよ。



「ま、気にしない方がいいわよ。あんたの男を見る目が悪かっただけなんだから」


「今の発言からは気にするところしかないんですけど!?」



そのあともぎゃいぎゃいとあたし1人が騒ぎまくって、最終的に紗季に叩かれて口を閉じた。