なるほど、お彼岸神社ね。確かに音が似てる。というか「ひが」に「ん」つければもう「ひがん」だし。


でも普通神社にそんな名前つけるかなぁ。いやちゃんとした名前じゃないって言ってたけどさ。


だって違う言い方で言ったらそれってあの世神社だよね。うわ、なんかホラーだ。お世辞にも縁起が良いとは言えないわ。



「ねぇ茜。なんでお彼岸神社なの?」



理由を知ってるかなと聞いてみれば茜は知ってるみたいだったけど柔らかく笑うだけで教えてはくれなかった。うー、けちんぼ。


じと、と茜を見つめると茜は小さく笑って。



「多分、朱里も明日外に出たらわかると思うわ」



だからそれまで秘密、と口元で人差し指を立てる。そんな些細な行動でさえ色気があるように見えるのはなぜか……解せぬ。


ごはんを食べたあと使った食器を洗ってしばらくまた茜といろいろな話をする。


茜はあたしのいた時代に興味があるみたいで、今度はあたしが自分のことや周りにあるもののことをたくさん話してあげた。


髪を染める技術や瞳の色を変えるものがあることを話してあげるとすごくびっくりしていて、日本人であるあたしの髪がこんななのにも納得していた。



「そろそろ寝ましょうか」



茜の言葉にあたしも頷き、さすがにこの真っ暗闇の中で1人は怖かったので隣に茜の布団も引いてもらった。


恥ずかしながら高校生にもなって豆電球がないと眠れない朱里ちゃんです。くそっ、笑えばいいさ!紗季には死ぬほど笑われたもんね!!



「おやすみなさい、朱里」


「うん。おやすみ、茜」



初めての夜に眠れなかったらどうしようとちょっと不安だったけど体は疲れていたのか、あたしの意識はすぐに遠のいていった。