彼岸の杜




「ふふっ、じゃあごはんにしましょ」



こっちよ、と立ち上がる茜にあたしも立ち上がる。あ、あたしの着てた洋服どうしよう……


あたしのそんな考えを読んだのか茜は「それ貸してくれる?」とあたしの洋服を受け取って胸に抱いた。


明日他の洗濯物と一緒に洗ってくれるらしい。明日のいつにするのかはわからないけどせめて自分のものは自分で洗おうと思う。



「清二はどうする?」


「僕は帰るよ」



後ろを振り返ると清二さんも立っていた。そういえばここって清二さんの家じゃなかったんだっけ。



「また明日」


「えぇ、またね」



お互いを見つめあって微笑む姿は恋人同士みたいな雰囲気を出しているのに、2人はどこか遠慮してるみたいに見える。


遠慮というより、触れることを無意識のうちに避けてるっていうか……ほんの少ししか一緒にいないあたしが威張って言えることじゃないんだけど。



「朱里さんもまたね」


「あ、また…」



ふわりと微笑んだ清二さんは見送りはいいからと勝手知ったる人の家、早々に帰ってしまった。