彼岸の杜




「お待たせ。お湯はここに置いておくわね。こっちは手ぬぐい、使い終わったらそこに干しといてもらえる?」



少し持つのに苦労しそうなサイズの桶を軽々持ってきた茜は奥の方にそれを置いて一緒に持ってきたのであろう手ぬぐいをあたしに渡す。


他にも諸々説明をしてもらい、あたしもあたしで聞きたいことをちょろっと聞いてみる。懇切丁寧に教えてくれた茜。もう感謝しかないっす。



「それじゃあね。ゆっくりでいいから。終わったら桶はそのままにしておいて」


「了解です!」


「ふふ、出たらさっきいたところに顔を出してくれればいると思うから。もしいなくても心配しないでね?」



カラカラと引き戸を閉めた茜はキシキシと微かな音を立てて遠ざかっていった。


うーん、なんというか本当に至れりつくせりで申し訳ない。せめて自分のことは自分でするようにしなくては。というかできるようにせねば。


まぁまずはお風呂か、と茜が持ってきてくれた桶に適当に水を入れて温度を調節する。こんな感じでいいだろと着ていた服を脱ぎ、手ぬぐいを浸して体を拭う。