彼岸の杜




それでもいいかしら、と少し眉を下げて聞いてくる茜にあたしは頷く。


というか現状あたし今着てる服しかないし。貸してくれるならこの際多少大きくても小さくてもありがたい。


サイズが合わなくても今着てる洋服よりは絶対目立たないし。ギャップ萌えで温かい目で見てくれること間違いなしだし。(いや、やっぱ多分…)


よかった、と微笑んだ茜は着物一式を手に持ちとことこと歩いて行く。


またしても雛鳥よろしく次はどこに行くんだろうと考えながら着いて行く。着いたそこは狭い一室。なんだここ。


と思ったけど何かを溜めるため?の桶みたいなものにもしかしてお風呂場かもしれないとまたしてもキョロキョロ。あたしってば忙しなさすぎる。



「ここを湯浴みに使ってるの。お湯は今持ってくるわね」



ちょっと待ってて、と着物類を脇に置いて出て行く茜。


あたしと言えば…ね。いやもうあーだこーだ言わずありのままを受け入れるしかないですよ。


悟りを開きながら振り返れば人1人がちょうど入れそうな大きさの桶。そしてよくよく見ると奥の方には水が溜めてある。


これで湯加減を調節するんだろう。昔なんかの映画でそういうの見たことあるし。