立ち上がろうとしていた茜の肩に手を置いて清二さんが代わりに立ち上がる。
ありがとう、どういたしまして、と小さなやりとりが聞こえてなんだかなー、と思ったり。
いやだってなんかこういうやりとりってこ、恋人のやりとりっぽくない?そういうとこにあたし1人ってかなり場違いだと思う。
「布団は清二に任せてそうね…朱里は着替えましょうか」
「へ」
キョトンとして茜を見れば美しい困り顔が。
「この村でその着物は目立つでしょうし、体も拭きたいでしょう?」
「あ、」
そりゃそうだ。あたしの服ってこの時代からして見ればヘンテコ極まりない格好だった。
それによくよく見てみると服もところどころ土で汚れているみたいだし。てかこの汚れた服でよく布団貸してくれたな。申し訳ない。
今さら気づいた事実にしおしおと体を縮こませるとクスクスと綺麗な笑みをこぼした茜は「こっちよ」と立ち上がって部屋の外に出る。
あたしも雛鳥よろしくそのあとを追って行くと違い部屋に着いて。
うーん。さっきの部屋と違ってどことなーく生活感があるような。
キョロキョロと忙しなく目を動かすあたしに茜は微笑みながら箪笥を開けた。そこにあるのは着物たち。茜のかな。
「朱里は私と背格好が似ているし、私の使っているもので大丈夫だと思うのだけど……」


