彼岸の杜





「? ここの人じゃないのは知ってるわよ?」


「そうじゃなくて、」



茜の言っているのは「この村」のって意味。


あたしが言ってるのは、




「あたし…未来から来た、みたい」




あたしは、この時代の人間じゃない。


……何、この滅多にない経験。宝くじ当てるより難しいんじゃないの。それなら宝くじ当たった方が何百倍も嬉しかったわ。


お金は何かしら役に立つけどこんな体験はなんにもならない。話したとしても頭がおかしくなったとしか思われないわ。病院勧められるわ。


ふっ……紗季にバカにされる自分が簡単に想像できて悲しい。



「え…未来、って」


「ほんっと、ふざけてるよねぇ……」



でも本当に本当のことなんだ。だって電話もケータイもないんでしょ?知らないんでしょ?


そんなの日本人ならみんな知ってるって。知らない時点で田舎者で済まされる話じゃないし。


どれだけだよって話。何?茜も清二さんも見た目バリバリの日本人なくせに実はジャングルかなんかに住んでるマサイ族か何かですか。


それにしては古風な日本の着物だし日本語だって通じてるしありえないですよね、わかってますよ。ちょっと冗談かましてみただけですのでご安心ください。