「じーさま?あたし、朱里だけど入るよ?」
そっと襖を開けると予想通りでじーさまは難しい顔をしながら将棋を指していた。そおっと後ろから覗いてみるものの首を傾げるしかない。
うーん、全くもって戦況がわからん。ちょっとぐらいならわかるかなと思ったけど小さいときの話だし記憶もばっちり風化してますわ。これじゃあ挑戦したところで負けが見えてる。トホホ。
「じーさま、もう少しでごはんだって。それまで話したいことあるんだけどいい?」
顔を上げたじーさまはあたしと目が合うなり少し驚いたようだったけどすぐに将棋盤をそのままにして向き合ってくれたので、それを是の解釈としてあたしはじーさまの前に座った。
「あたしねじーさまの言ってたこと、自分なりに考えてみたの」
うんともすんとも言わないじーさまに少し不安が…ちゃんと聞いているのかせめて反応してほしいんだけどそれを言うのも憚られるという。なんの罰だこれ。でも、ちゃんと聞いてほしいんだ。
っ、、もう!怖気づいてる場合じゃないっての!ちゃんとあたしの考えをじーさまにもわかってもらうんだから!!
と心の中で自分に喝を入れつつじーさまを真っ直ぐに見つめる。
「あたしバカだから、じーさまの言っていた意味の半分も理解していないかもしれない。でも、じーさまの言う通りなところがあったよ」


