車を出そうかと聞いてきたお母さんに大丈夫だと言いつつよいしょと荷物を持つ。うっ、重い…けど頑張って持てないわけじゃないしできることならあたし1人でなんとかやり遂げたい。
「そう?あんまり遅くならないようにするのよ?」
「はーい。行ってきまーす!」
行ってらっしゃいというお母さんの明るい声を聞きながらあたしも笑顔で手を振って神社の鳥居をくぐった。
そして太陽が傾いて赤々としてきた頃、あたしは新しい自分を見つめながら我が家に続く神社の階段を上っていた。
「確かこのぐらいの時間のことを逢魔が時って言うんだよね」
小さいころはこの逢魔が時になる時間には怖いおばけが大量発生するんだぞってじーさまに脅されてそれまでの時間には必ず帰ってくるようにって言われてたっけ。当時は恐怖一色しかなかったけど今ならわかる。じーさま、過保護だ。
でも小さいときって理屈で危ないからって言われても反抗するか無視するかだったから結構有効な言い回しでもあったのかな。さすがにこの年になるとなんともないけどね。


