彼岸の杜




「お母さーん、出かけてくるねー!」


「あら、大荷物ね。そんなもの持ってどこに行くの?」



不思議そうに首を傾げるお母さんにまぁそう思うよねぇと思いながらもあははと曖昧に笑う。いやだってなんかごちゃごちゃ入った袋が両手いっぱいにあるんだもん。あたしがお母さんの立場でも聞いたと思う。


あることを決心した日の翌日、つまりは今日のことなんだけど、この日あたしは朝早い時間から着替えていろいろしていた。何かっていうと、まぁいろいろだよ。部屋のものを片付けたり箪笥の中身を整理したり。


あんまりうるさく(と言ってもあたしからしたらこれでも控えたほうなんだけどね。掃除機は使わなかったし)していたからか小言を言われたけどそこわスルーの方向で。


これはあたしにとっては大切なことなんだ。他人からしてみれば細やかな決断かもしれない。でもあたしからしてみれば経験を無駄にしたくないっていうか、ちゃんと形にしたいっていうか…と、とにかく大きなことで周りにとやかく言われても挫けないんだから!



「んー、気分転換?というよりも意識改革?に必要で…」


「あらあら、断捨離ってやつかしら?」


「おおう、まさにそんな感じ!」



さすがお母さん。素晴らしい言葉を知っていますな。