茜は自分がいつ行ってしまうかは教えてくれなかった。いくらあたしが聞いても微笑むだけで答えてくれないしあれから清二さんもこないし。


……今なら、どうしてあの夜に清二さんがあんなにも取り乱していたのかわかる。きっと清二さんも茜のことを知ったんだ。あたしの目から見ても清二さんは茜のことを大切にしてるもん。その衝撃は想像もつかないぐらいだと思う。


数日が経ったけど状況は怖いぐらい変わらずに毎日はすぎるをあたしは村のほうには行けないし、どうやってもあたしがその日を知ることはできなくて。


うぅ、気になる…というか気にならないほうがおかしいわ!!せめて清二さんが、いや誰かがここに来てくれればわかるのに!多分!頑張って聞き耳たてれば!


もやもやと胸の中で解消できないもやつきにうんうんうなりながらも自分でも馬鹿だと思う頭をフルで働かせてみるけどやっぱりあたしにできることなんてなくて。せいぜいいつも通り振舞うぐらいだ。


……あたしってなんて無力なんだろ。お世辞にも頭がいいとは思ってなかったけどここまで馬鹿阿呆間抜けだと悲しいを通り越して怒りも踏み越えて悔しいの山を駆け上がってる感じだ。うん、自分でも意味がよくわからない。


ごろごろと例のごとくどこかホッとする匂いがする畳の上で寝転がる。


あーあ。どうしよう…こうやってあたしが無為に過ごしている間にも茜の時間は減っていっているというのにあたしは何かしたくてもその何かが分からずにこうやってごろごろごろごろ。ダンゴムシか。