彼岸の杜





「今日は何かする予定でもあるの?」


「えー、別にないけど……」



なーんか嫌な言い回し。そんなこと言われたら大体次にくる言葉っていうのが、



「それなら今日は神社のお手伝いね」



……やっぱりそうきたかああぁ!!



「えー、やだよぉ。今日は傷心を癒すためにゴロゴロするんだもん」


「もう、いつもゴロゴロしてるでしょう?そのうち肥えちゃうわよ」


「う、」



肥えるって、いや最近ちょっと重くなったかなと思わないでもな…いやいや!!


ま、まだ許容範囲だしっ、全然平気だし!女子高生の若さナメちゃダメだよ。このぐらいならすぐ戻る……し。多分。



「お前、またか」



いきなりの声にドキッ!と心臓が大きく跳ねて持っていた箸を落としそうになった。


そろりと視線を向けてみるとじーさまの厳しい顔。やば、と冷や汗が背中に感じたあたしはあからさまに顔をそむけた。


それが火に油をそそいでしまったらしい。深いため息とともに茶碗と箸を置いたじーさま。その音が恐ろしい。


雰囲気があたしにもそうしろと言っていて、逆らいようもないあたしはしぶしぶ箸を置いた。