次に目が覚めた時、女の子はあたたかな布団の中にいました。そばには見たこともない人が座っていて、女の子は初めて笑顔を向けられました。


生きていてよかったと微笑まれ、心配されて、温かな食事を与えてもらいました。初めての人の優しさに女の子は涙を流します。しかし、女の子のことを知ったほかの村人たちは女の子を拾ってくれた神主様に言い寄ります。


「あんな不吉な目をした子を村にひきいれると村に何か災いが降りかかるのではないか」「あんな子はすぐに村から出すべきだ」「血の色をした瞳など気持ち悪くてかなわない」


神主さまは必死にみんなをなだめますが村の人は不安な顔をして女の子のことを拒絶しました。女の子はそれを物陰から見て聞いて、悲しくて飛び出します。


小さな杜を抜けるとそこはあの日最後に見た小さな泉があるところでした。あの日は夜で気づきませんでしたが、その周りには真っ赤で燃えるような彼岸花が咲き誇っていました。


赤い色、私と同じ、赤い色。赤なんて、こんな瞳大っ嫌い…!!


どうして私なの?私は何も悪いことなんて何もしていないのに。大嫌い、こんな瞳。私はこんなの欲しくなんてなかったのに…