「あはは……冗談、ですよ」
アタシはちらちらと、綾人センパイの表情を伺いながら固まってしまった菫子センパイに言葉をかける。
そうするとゆっくりと、菫子センパイの表情が動いた。ああ、良かった。そう思っていると、横からまた冷たい言葉が飛び出す。
「冗談ではないです」
がくっと、項垂れるアタシは立ち直ると綾人センパイの手を無理やり引っ張って廊下に連れ出した。
『何であんなこと言っちゃうんですか!』
アタシの折角のフォローを台無しにして…
『しょうがないって。俺が受ける気にならなかっただけだよ…』
『俺が、って。じゃあセンパイが受けなければいいんですね?』
良いことを思いついた。センパイは、アタシの言葉を聞いて戸惑いながら首を縦に振る。
『アタシに任せてください!この依頼引き受けますっ』

