突然背後から聞こえた声に恐る恐る振り向くと顔に笑みを貼り付けたふでがいた。



「お前達、その着物はどうしたの?まさか…川遊びなんて、してないわよね?」




いつもより高い声で優しく聞くふでに恐怖を感じたのは私だけじゃないようで、宗次郎のと平助も徐々に後ずさりしていた。



「逃げろーーーーっっっ!!!敵襲、敵襲ーーーー!!!」



突如叫び出した平助に私たちは弾かれたように走り出した。



そして出遅れた勇等一向の横を通り過ぎると試衛館だけを目指した。



振り向けば勇等も同じように無我夢中で走っている。



しかし、敵も目指す場所は同じ。



私達は試衛館に着くとこってりとふでに絞られたのだった。