ヒタ…


ヒタ…


ヒタ…



「狭くて薄暗い部屋には逃げ道がない上にあまりの恐怖で男達はその場から動けない。そんな時、足音が部屋の前でピタリと止まった」




廊下を歩く音もまるで原田の話に合わせているかように同時にぴたりと止まった。




「その時雷鳴が轟くのと同時に凄い勢いで襖が開けられた!!」





スパーーーーーーーーーンッッッ!!!!






全員「ぎゃーーーーーーーーーっっっ!!!!!!!」




「きゃーーーーーーーっ!!!!」





私達が叫ぶと襖を開けた人物も同じように甲高い叫び声を挙げた。




「お…おふでさん……」




その人物とは切り分けられたスイカをお盆に乗せて持ったおふでさんだった。




「あんた達!!私を殺す気かい?!大体何やってんだいこんなジメジメした日に締め切って!!」




怒りが収まりきらないのか、まだブツブツと文句を言いながら廊下を歩いて行ったおふでさん。





今日1番怖かったかもしれない。