「怪談話はやっぱり楽しいね!じゃあ次は誰がやる?」



「も、もう良いんじゃねえか?」




そう言う土方はカタカタと震えている。




「じゃあ次は俺が話す」




堂々と名乗りを上げた原田。



一体どんな話をしてくれるのかワクワクが止まらない雪はきっとこの部屋の中で1番強い。




「これは夏の夜、俺ら同様に怪談話をしていた男達の話だ」




ギュッ




まだ怖いと思うようなことを何も言っていないのにカタカタと震えながら雪の腕にしがみつくのは藤堂平助。




可愛すぎるじゃないか!!




「順番に1人ずつ怪談話をしていくと廊下から、ヒタ…ヒタ…ヒタ…………と足音が聞こえた。それは徐々に男達に近づいてくる。音が近づいてくるにつれ、男達の焦りは募っていく」




ヒタ…


ヒタ…


ヒタ…




原田が話している途中、足音が聞こえて来た。



みんなはそれに気づいているのか顔を見ると血の気が失われているのが分かった。





原田は足音に気づかず尚も話し続けている。




これにはさすがの雪も怖かったらしく、隣に座る平助に抱きついた。