「周助さん、あなたのは少し塩を少なめにしてあるからね」 「あぁ、ありがとう」 「勇さん、今日は一段と暑かったので精の出る食事にしてみました。たくさん食べてくださいね」 「いつもありがとう」 もぐもぐと目の前の食事に一生懸命な宗次郎、平助に挟まれながら雪はふでやつねの振る舞いを見ていた。 あれが家を守る女の姿。 私もあんな風にいつか旦那さんのために食事を作るのだろうか。 まだ見えない先を楽しみに待つ雪だった。