婚礼の日から数月が過ぎた。 雪はつねと実の姉妹のように仲が良くなった。 「お雪、夕餉の支度を手伝って?」 「はーい!」 「これ、返事は短くハッキリ!」 ふでに言われ、はいっ!と慌てて言い直すと2人はクスクスと笑った。 最近では稽古の合間にこうして3人で家事をやっている。 そんな雪の姿をあまり良く思わない者達がいた。 「おもしろくない」 「最近はつねさんにべったりだもんな」 そう、この2人。 宗次郎と平助だ。 ずっと一緒にいた雪をつねに取られ、嫉妬心を抱いていた。