「山南さん、今すぐ北辰一刀流の道場へ帰ろう!こんなオンボロ道場、山南さんだって嫌だろう!!」



「あんたさっきからオンボロ道場って…」




「いい加減にしなさい!!!!!」




私が藤堂君に文句を言おうとすると突然、山南さんが声を荒げた。




山南さんが怒鳴るだなんてやはり余程珍しいのか藤堂も驚いていた。




「平助、私は自分で決めてここの道場に来たんだ。いくらお前が喚こうと私はここを出るつもりはない」



先程とは打って変わって穏やかな声音だが、とても厳しい一言だった。




すると藤堂はまた、大きな瞳から大粒の涙をボロボロと零した。



「俺は…山南さんがいないと嫌だ!俺は…1人だ……」



藤堂君の言葉に山南さんは困ったように顔を歪めた。




そして次の瞬間、山南さんは驚きの発言をかました。