* 「遅くなって済まなかった」 一君は一度故郷に帰ったあと、上の命で壬生浪士組改め、新撰組となった組に先に入隊をしていたらしい。 「仕方ないよ」 そう言って縁側に座る一君に水を出した。 「ここを発つ前にお前に話しておかなければならないことがいくつかある」 それは彼等が京に上ってからどんな行いをしてきたのか、雪も同じ事が出来るのか。 と言う事だったが、それらは雪の固い決意を簡単に緩めてしまった。