「先生…私、ここにいても良いんですか?」



「…………何を言っているんだ。良いに決まってるだろう」



「この力を見た歳さんや…町の人達は私の事を気持ち悪いと思ってるかも…。宗次郎やおふでさんもこの力を知ったら…気持ち悪く思うかもしれない。そしたら…そしたら私…、もうここにいられない……っ……」



堪え切れなくなり涙を溢すと突然襖が開いた。




「何言ってるのよ!貴方がどんな力を持っていようとお雪はお雪でしょう!!お雪は私や宗次郎の事をそんな風に思っていたわけ!?私や宗次郎が貴方を軽蔑するような人に見えるの!?」




「…おふで……さん…っ…」




「全くだ。俺達はそんな事で人を軽蔑するような醜い奴じゃねえよ」




「雪!僕はその力、格好良いと思うよ!だから軽蔑なんて絶対にしない!」




「歳さん……宗次郎……っ…。みんなありがとう…っ…」




そう言って私はおふでさんに抱きついて泣いた。



そんな私の背中を優しく摩ってくれたおふでさん。




その感覚はまだ優しかった頃の母が私にやってくれたものとよく似ていた。