「おミツさん」と呼びかけ、こちらを振り向くミツに微笑んで言った。
「私行きますね、京へ」
きっと…いや、間違いなく勇さんや歳さん、山南さんを筆頭に物凄く怒られる。
周助先生やおふでさんにも心配をかける。
それでも私は行きたい。
みんながいてくれなくちゃ、生きている意味がない。
「うん、行ってらっしゃい」
おミツさんは今にも泣き出してしまいそうな、でも嬉しそうな顔をしていた。
一君、私はもう迷わないよ。
いつでも迎えに来て。
私は天然理心流剣術三代目宗家近藤周助の娘であり壬生浪士組局長の近藤勇の妹、近藤雪。
女だって根性さえば男の人と並べる。
もう迷わない。
絶対に意思を曲げたりなんてしない。


