誠の華-アサガオ-






「ただいま〜」



家に戻ると既に夕餉の支度が終わっていた。



何もすることがない。



バタバタバタバタ



「ゆきーーー!」



小さな足音と共に舌ったらずな声で私の名前を呼ぶ声が聞こえた。



「たま、おはよう。もう起きたの?」



「雪、ちょっとたまをお願いしてもいいかしら」




たまに続いてつねも来た。



「もちろんいいよ。任せといて!」




そう言ってたまを担ぐと庭へ向かった。




走り回るたまを後ろから眺めていると突然つくしの採取を始め出した。




春だな〜なんて思っていると昔、私もおふでさんに頼まれて総司や平助とつくしの採集をしたことを思い出した。




「あい!」



そう言って私にたくさんのつくしをくれたたま。



「たくさん取ったね!凄いねー、たまは!」




頭を撫でて褒めると嬉しそうにしていた。