全員が揃い宴がようやく始まると雪は一人一人に激励の言葉を送りながらお酌をして周っていた。



そして最後の一人である総司の元へ行くと、意外だったのかこれでもかと言うほど目を大きく開けていた。




「総司、お酌させて?」




そう言うと悩みながらもおずおずと猪口を差し出した。




「…ありがとう」




今までにないくらい素っ気ないお礼だった。




そっか、散々酷い態度取ってたもんね。



怒るのも無理ないよね。




「あのさ…最近の私の態度、悪かったよね。ごめんなさい」




しばらく頭を下げていると総司は無言で立ち上がり、広間を出て行った。




許して、もらえなかった。




胸が苦しい。




止まらない涙をみんなに見られないように下を向きながら広間を飛び出した。