おミツさんの誘惑に乗せられ、口を開きかけた時、意外な人物が口を挟んだ。
「おミツさん、雪は私の娘です。勝手にこの家を離れることは許しません」
ふでだった。
おミツさんは一瞬驚いたものの、すぐに反論した。
「雪は私の妹でもあるんです。妹が悩んでいたら背中を押してやるのが姉でしょう。そもそも雪の人生なのだから誰かの言う通りにしなくて良い。雪の好きなようにすればいいのよ」
「なりませんっっっ!!!」
よく怒りはするものの、あまり怒鳴るこはなかったので皆ふでの怒声に驚きが隠せなかった。
これには流石のミツも言い返すことが出来なかったようで、二の句が出ることはなかった。
「雪は嫁に出す為にも今が大事な時期。ただでさえ行き遅れでいると言うのに浪士組に参加させるですって?笑わせないでくださいな」
吐き捨てるようにふではそう言うと、夕餉の支度をする為に雪を連れて勝手場へ行ってしまった。


