「オギャーオギャーオギャー」



試衛館に鳴り響く産声。



「産まれたぞーーーーー!!女子だーーーーーーー!!!」




続いて勇の声が響く…。




そう、勇と妻であるつねの間に女の子が産まれたのだ。




「勇さん、勇さん!!会いに行ってもいい?!」



「もちろんだ雪。お前の姪っ子にご挨拶しなさい」



「っ!ありがとう!!」




バタバタバタと走り、つねと赤子がいる部屋の前で止まると大きく深呼吸した。




スッ




そしてーっと開けるとつねの乳を飲む小さな赤ちゃんがいた。




「あら、雪じゃない。こっちいらっしゃい」




そう言われ、近くに寄ると赤ちゃんの顔がはっきり見えた。



小さな手のひらに人差し指で触れるとギュッと握り返して来た。




「かわいい」



小さくてふわふわな手に触れただけで自然と口元が緩んだ。