「罰が当たったんだよ」



「あいつは人を殺しすぎたからな」



野次馬たちの中からそんなような声が多く聞こえた。




「罰が当たったって、井伊大老は何をしたの?」



「天皇の許可を得ずにメリケンと条約を結び、その後それに反対をしていた攘夷派を大量に処刑したんだ」




雪の素朴な質問に答えのは斎藤だった。




「じゃあ井伊大老を斬ったのも…」



「恐らく攘夷派だろうな」




それを聞いて思わず身震いした。



きっと大老は牽制と自分の身を守るためにたくさん処刑してきたのに結局殺されてしまった。



後に安政の大獄と呼ばれた大量殺戮は必要だったのだろうか。



いずれにしてもこの桜田門外の変は攘夷志士達の活動を活発にさせてしまうものとなった。



これが、全ての始まりだった。