「あ?ガキはすっこんでやがれ」



「どっちがガキよ!女、子供に刀を向けるなんて信じられない!それでも武士なの!?豆腐が付いたくらいで何よ!武士だからって威張り散らしてんじゃないわよ!!」




「うるせぇ!」



ドンっ




「きゃあっ!」



私は男に蹴られた拍子に尻餅をついた。




そして男に視線を向けた瞬間ー…









ザシュッーー…







女の人が斬られてしまった。




「は…はうえ…?」




「次はお前だ」



男が子供に刀を向けた瞬間、私は男を突き飛ばしていた。



「何しやがるこのクソガキっ!!」



突き飛ばされた男が私を斬ろうとした瞬間、町人達が男を羽交い締めにした。



私がすぐに女の人の元に向かうと既に事切れていた。



そして私が傷口に触れた瞬間、強い光が女の人を包み込み光が消えた頃には傷が塞がっていた。



「な…に…これ…」



「ん…」



女の人は目を開けるとゆっくり起き上がった。



「あれ…、私…斬られたはずじゃ…。貴方が助けてくれたの?」




「ち、違う!私じゃない!!」





私が立ち上がると町人達の視線が刺さった。




「今、あの女子が傷を治した!」



「凄い!どうやったんだ!」




違う、私じゃない!




町人達の視線から逃れようと荷物を持って走ると突然手首を掴まれた。





「嫌!離して!!!」



「雪!俺だ!!」