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斎藤が天然理心流試衛館に身を寄せて数日。
太陽が1番高い位置に着いた時、来客が訪れた。
「御免下さい」
強く張りのある声が試衛館に響き渡ると身を硬くするものが三人いた。
「まさか…」
「あの声は!!」
「に、逃げよう!!」
ガシッ
宗次郎が雪の腕を掴み逃げの体制に入った時、誰かが宗次郎の肩を掴んだ。
全身を巡る血の流れがいつもより数倍早く感じる。
恐る恐る振り返ると美しい女性がいた。
「どこへ…逃げるの?」
口元に美しく弧を描き微笑む姿は天女のよう。
しかし見かけに騙されてはならない。
この人はおふでさんに負けず劣らず恐ろしい人なのだ。
「お、お久しぶりです…姉上」
そう彼女こそが宗次郎の姉、おミツさんだ。