誠の華-アサガオ-





雪は全ての傷を治すと斉藤を立ち上がらせた。



「私達、散歩の途中だったの。良かったら一君も一緒に行きましょう」





返事も待たずに三人を引き連れ、雪は河原に向かった。




「私はね、未来から来たの。人の傷を治したり、死んだ人を生き返らせたりできる不思議な力があってね、それが理由で両親や友達に化け物扱いされてた」




草むらにみんなで座り込み、唐突に話だした雪の話を三人は黙って聞いていた。





「産まれてからずっと耐えて来て、10歳になったばかりのある日、高い建物から身投げをした。で、気付いたら江戸時代にいた。宗次郎と歳さんに見つけてもらって、周助先生が養子にしてくれたの」




話し終えると次は宗次郎が口を開いた。