雪の声に男達は振り返ると眉間に皺を寄せた。
「何だお前ら」
「お前らに名乗る理由はねえ!」
「痛い目に合いたくなければその男を離せ!!」
平助と宗次郎が言うと男達はゲラゲラと笑い出した。
「おもしれえ。相手してやる」
主犯格と思しき男が言うと男達が一斉にかかってきた。
しかし男達は思いの外弱く……
「はあぁぁぁぁあっっ?!お前ら弱すぎだろ!!!」
「こんなの素手でも簡単に倒せたね」
平助と宗次郎が呆れている間に雪は斎藤の元に駆け寄っていた。
「大丈夫?」
「あ…あ…。なんて事…ない……」
しかしどう見ても斎藤はボロボロで、とても大丈夫そうには見えない。
いくら弱いと言っても大人数で追われたら流石に敵わないよね。


