試衛館での生活が始まってから数週間。



雪は早朝に門前を箒で掃いていた。



「もう!後一刻寝かせてって言ったらおふでさんに怒られた!!起こすのが早すぎるのよ〜〜!」



「おはよう、雪!」



「宗次郎!おはよ〜!」



沖田の要望で宗次郎と呼ぶようになった雪。



二人はこの短い期間に兄妹のように仲良くなっていた。



「お雪ー、宗次郎ー!朝餉の刻だからいらっしゃい!」



「「はぁーい!」」




***




ふで「今日の朝餉は雪が作るのを手伝ってくれたのよ」



周助「そうか。偉いな、雪」



雪「えへへ」



ふで「これから私がお嫁に出ても恥ずかしくないようにしっかり修行してあげるわね」



雪「ムグッ…ケホッ…ケホッ……」




何ですとっ?!




男達「嫁…」



ふで「何よ。雪だってもう十よ?後数年もすればお嫁に行くの」




周助「だ、ダメだ!雪は嫁に出さん!!」



勝太「ま、まぁまだ先の事でしょう!」




沖田「じゃあ僕がお嫁に貰ってあげるよ!」




全員「ブーーーッ!」




全員口の中の物を吹き出しました。




沖田「汚い…」



それをジト目で見る沖田。




雪「いや、お嫁とかまだ先の話だし!まず貰ってくれる人いないから!」




全員「まぁそうなんだけど、貰い手は山程いると思うよ?」




雪「良いよ…お世辞は……」




ふで「あらー、落ち込んじゃった」



沖田「だーかーらー、貰い手いなかったら僕が貰ってあげるって」



雪「良いよ、無理しなくて。さ、お食べ」



沖田「食べてるけどね。ってか流したよね」




周助「まぁ、この話は終わりだ!終わり終わり!」