「お前っっ!!何てことしやがるんだ!!!!」 「こいつを生かしておくつもりはない。安心しろ、貴様もすぐに殺してやる」 目元しか見えていないが、彼女の赤い紅を纏った唇が弧を描くのが分かる。 「んの野郎……俺がお前を殺す!!」 凛から漂う梅の香りが鼻を燻るのさえ鬱陶しい。 反撃をする余地も与えず猛攻撃し、凛の脇差を弾くと凛は力なく座り込んだ。 右手で持っていた刀を頭上で回転させて持ち替えると凛の胴に向かって振り下ろした。 ーーー…ザシュッ。 しかし、俺が斬ったのは凛ではなかった。