わたしが彼を好きな理由【短編】







槙田くんと出会って、4回めの春が来た。


わたしの苗字も槙田になって、槙田くんのことを槙田くんと呼ばなくなった。





「莉穂ちゃん。」



槙田くん改め、瀬奈くんに呼ばれたわたしは、もう、筋肉まっちょの王子様を待ってない。




ただ、ぎゅうっと抱きしめてくれたとき、あれ?意外と着痩せするタイプだったんだ、っていう感想を抱いた、大好きな瀬奈くんを待っている。








「ただいま、莉穂ちゃん。」



そう言って、抱きしめてくれる瀬奈くんを。