光が眩しくて目をつぶる。
光が止んだ。
目を開けると。
あ…。
優希の足が見えた。
上を見上げると優希が泣いていた。
優希は下を向いた。
私はクラゲに戻っていたのだ。
その時、
優希の手が私に向かって伸びていた。
温かい手が。
私を手ですくおうとしていた。
その時だった。
海の波が私をさらった。
波にのまれ、私は彼から遠ざかって行った。
彼の手に触れられそうだったのに。
やっぱり一生会えないんだと。
神様は意地悪だなあ。
「くらこ!!!!!」
波にのまれながら、彼が叫ぶ声が聞こえた。
優希の声だ…!
最後に聞かせてくれてありがとう、優希。
私は海に負けないように
クラゲの涙を流した。

