私は彼のカバンを持った。
急いで石鹸を取りに行った。
石鹸をカバンに付けて、必死で洗う。
消えろ…!
優希の悪口全部消えて…!
必死になってカバンを洗った。
少しずつカバンが綺麗になっていった。
私は情けない。
情けないクラゲだ…。
涙が止まらない。
優希に直接、何も言ってあげられない悲しい奴だ。
言ってあげられない代わりになにか出来ることをしたかった。
だからカバンを綺麗にしたい。
その思いで必死だった。
彼の辛い記憶が全部こんな風に流れて行けばいいのに。
私はそう思って洗い続けた。
彼に直接、なにもしてあげられないクラゲ。
あ…。
綺麗な女の人の言葉が蘇って来た。

