(短編✴︎)くらことゆうき


私は彼のカバンを持った。

急いで石鹸を取りに行った。

石鹸をカバンに付けて、必死で洗う。

消えろ…!

優希の悪口全部消えて…!

必死になってカバンを洗った。

少しずつカバンが綺麗になっていった。
私は情けない。


情けないクラゲだ…。

涙が止まらない。


優希に直接、何も言ってあげられない悲しい奴だ。

言ってあげられない代わりになにか出来ることをしたかった。

だからカバンを綺麗にしたい。

その思いで必死だった。


彼の辛い記憶が全部こんな風に流れて行けばいいのに。

私はそう思って洗い続けた。

彼に直接、なにもしてあげられないクラゲ。

あ…。


綺麗な女の人の言葉が蘇って来た。