飯を食ったかと聞けば
「私…夜は食べないんです」
昼は店、夜は食べない…
朝しか食ってないのか
そんなんで、よく働いてたな……
俺は驚くも、こんなんじゃダメだと思い
行きつけの寿司屋に向かった。
あそこの女将は口が硬い
それに、気がきくから
安心して美咲を連れて行ける……
「雅樹様」
そんなふうに読んだのは美咲。
客じゃない俺に様なんか
つけんじゃねー
『雅樹だ』
これからは、そう呼ばせる。
それでも、様をつけてくる
俺はイラついて声を荒げてしまった
美咲はビクッとして怯えてしまった。
『わりぃ…これから飯にいく。話はそこで』
そう伝えると
美咲はホッとして、窓の外を見ていた。

