あなたの優しさが…雅樹の想い

「雅樹さん…美咲をよろしくお願いします」

そう言って黒田は頭を下げた。



もしかしたら、黒田も美咲に…


そんなことを考えても仕方がない。



部屋で待つ俺は

少し落ち着かなかった。



『中学生かよっ』


そんな自分に笑えてしまう。


トントン



ドアをノックする音。


俺は返事をしなかった。


美咲がくると思ったら、返事ができなかったんだ。


三つ指をついて、顔を上げた美咲は

俺の顔を見ると驚いていた。


「少しだけ、お待ちになっていただけますか」

そう言って、急いでどこかへ行ってしまった。



俺は呆然としていた。