マンションに帰ると

美咲は荷造りと言い出した



なんか、浮かれてねぇか?


『美咲は…俺と住むの嫌か?』


「えっ?なんで!?嫌なわけないょ?」


『本家に住むって…楽しそうだ』


そう。

俺は拗ねていた。

あまりにも

美咲が楽しそうで……



「違うよ……」

俺がいて、お袋がいて、親父がいる
今まで一人だったから
家族ができるみたいで
うれしくて…つい…

「雅樹が嫌なら、私はマンションで雅樹と暮らす」


俺は

自分のワガママで

美咲を寂しい思い

させるところだった。


【家族】


『美咲……家族になろう』
『美咲はもう、家族だ』

そう言うと

美咲は涙をいっぱいためながら

俺に近づき

俺の首に腕をまわし

キスをしてきた。