『闇黒竜…』
シルビーの声にハッと目を見開く。
あれが…、
闇黒竜---
ほんの数回だけれど、私は竜を見た事がる。
そのどれよりも大きな目の前で悠々と飛んでいる漆黒のこの竜は、今までに見た事のある竜とは桁違いの大きさだった。
それ程までに大きいこの竜を、私はただ唖然と見上げるしかなかった。
「どうだシーリア。闇黒竜に会うのは久しいだろう」
「………」
この男…、
ガイルもまた、私をシーリアと呼ぶ。
皆が私をそう呼ぶのに、今はそんな時ではないのに苛立ってしまった。
ううん、そんな場合じゃないよね。
ふー…、
一度、大きく息を吸って吐いての深呼吸をして自分の心の乱れを正す。



