「アイリーン、あれ!」
「え、なに?」
ダイの指し示す場所へと視線を向ければ北の方角には、先程まで見当たらなかった黒い雲が浮いていた。
それが少しずつ広がりを見せ、そしてこの村へと迫ってきているような気がするのは気のせいか?
「クックックッ…」
楽しそうに笑う男の声が、聞こえてきた。
この男は一体、何をしようとしているの?
何か得たいの知れない不安が胸に広がった時だった。
ドーーーンッ、
ゴロゴロゴロゴロ----
かなり近くから雷鳴が聞こえてきて、バッと顔を上げると…
黒い雲がこの村をすっぽりと覆っていていた。
いつの間に遠くの方に見えていた黒い雲が、この地まで来たのか?
不思議に思っていると、ブルッと身体が震えた。
先程までの暖かい日差し全てがその黒い雲に遮られているおかげで、一気に肌寒くなったようだ。
この怪しい雰囲気を鳥や動物達も感じたらしく、一斉にこの地から離れていく足音や羽ばたきが聞こえてくる。
な、何が始まるの?



