はっ!
こんな事を考えている場合ではなかった…、と気付いた私は目の前で今だ繰り広げているルトとその男の攻防へと意識を向けた。
ルトが男の放った闇魔法を避け、なおも攻撃を仕掛ける。
しかしその男はかなりの使い手らしくその攻撃は難なく避けられ、ルトがかなり苛立ち始めた。
するとそれまで見ていたシルビーがルトのすぐ傍まで音もなく、スーッと寄っていく。
それに気付いたルトは横目で確認しそして頷いた。
それを一部始終見ていた私は首を傾げる。
何だろう?
するとバチバチとルトの身体から魔力が放電し始めた。
そしてその強い魔力がシルビーの大きな風魔法と渦を巻くように合わさり始める。
出来上がったその魔法…、
それは物凄い電力を帯びた、竜巻だった。
うねりを上げながらの変則的な竜巻はかなり強く、抱き合っている私とダイは更に身体を寄せ合う。
合体魔法---
凄い…
凄すぎる…
「アイリーン、少しここから離れよう」
「うん」
ダイの言葉に頷き、急いで足を動かした。
ルト…
あの男に向かっていくその姿がいつもの甘えっ子ルトとまるで違って見え、その頼もしさにまるで自分の子供の成長を見守る親の気持ちの様に胸が熱くなるのを感じた。



