「………まさか」
「?」
「お前は…、……………か?」
何かを呟きながら、徐々にその男の顔から怒りの表情を強くしていった。
「…お前は、また我の邪魔をするか」
「また?」
私はこの男と始めて会ったのに…、
まるで私と過去に会った事があるかのようにそう口にする。
そして私も…
対峙した禍々しい雰囲気を醸し出すその男とは、初めて会ったようには思えないと、そうどこかで感じていた---
瞳を大きく見開き、その男をまじまじと見つめていた私を見るその男の口角が徐々に上がり始める。
そして少し楽しげに言葉を紡いできた。
「お前は………、そうか……」
「え…?」
「ならば」
手をゆっくりと上げていくその動作に、私もその手に合わせるようにゆっくりと顔を上げていった。
その手にはいつの間に持っていたのか、1メートル程の大きさの杖を持っている。
杖の上には私の手の平程の大きさの赤黒い石が収まっていた。
その石をジッと見ていると、ゾクッと身体を何かが駆け巡るように震える。
いつの間にか…、
気付いた時には杖からは徐々に黒く、禍々しい闇の魔力が溜まっていくのが見えた。
な、何をするの?
身体が強張って動けずに、ただただその男の所作をジッと見つめる。



