「………返してもらおうか」
低い濁声が辺りに響く。
徐々に開けてゆく視界。
まず目に飛び込んできたもの。
それは黒い身体全てを覆うローブを身に纏いフードを被ったその人が、私達に向かって指を指す。
そして…
視線をその人の後ろに向けた瞬間、私の瞳が大きく見開かれた。
黒いローブを着た男の背後には大穴が開き、そこから煙が立ち上っているのが見えたのだ。
「ひっ」
思わず声が漏れ出てしまった。
あの場所は…、
あそこはヤライばあちゃんが住んでいた場所だ---
それなのに家がまるでなかったかのように、跡形もなくただその場所からは白い煙が上がっているだけ。
嫌な予感がした---
もしかして目の前のこの男が…?
私の思考を感じ取ったのか黒いローブのその男から、微かに嘲笑う声が聞こえてきた。



