「ルト」
「ギュィ、ギュィ」
身を捩り私の手から逃れたルトは、まるで敵を見つけたと言わんばかりにわたしを睨みつけてきた。
そしてバンバンと三本の尻尾を床に叩きつけながら怒った表情を私に向けるルトは、しきりに何を訴える。
そんな様子に思わず苦笑いしながら手を差し伸べた。
…が、よけい苛立たせたようでルトの顔は更に険しいものへと変化する。
リス程の大きさだったルトも、いつの間にか大分大きくなった。
…と言ってもきつねくらいの大きさと言う、まだまだ子供なルトだが私の顔にへばりつかれるとかなり重くてちょっと辛いんだけどね。
はいはいはい…、分かりましたよっと。
きっとルトは私に置いてけぼりをくったのが、許せなかったんでしょうね。
それはすぐに分かった。
だって生まれてからずっと、片時も私達は離れた事なんてなかったんだし…



