これは…、
黒い小さな石の欠片?
食い入るように、私はその石をジッと見た。
そこらへんに転がっているような普通の石とは全然違う。
キラキラと太陽に反射して輝いているその黒い石は、目の前にいるお兄さんの瞳のようで綺麗だった。
それに見入っていると、頭上から低い声が私に話しかけてきた。
「今までずっとお前を見守っていたが、俺はもうこの地を離れなければならなくなった」
「………?」
…私を、
ずっと見守ってきた?
え?
「この石をアイリーン、お前に託そう。俺の変わりに守ってくれるだろう」
そう言ったルーファスお兄さんは、石を持っている指先を私へと近づけていく。
そして…



